終わってからも戦いだ

アクティビティ
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 計3分割のレポを読んでくれた方、ありがとうございました。
まだだよって方はぜひ読んでみてください。

 前回までで大会本番の振り返りは終わり、その後を少しだけお伝えします。
私は関東から遠征しており、当日は宿泊予定もなかったので、115km歩いて汗まみれ疲労困憊の身体を引きずって関東まで帰らねばなりません。日曜なので泊まろうと思えば泊まれるかもしれません。

あわら温泉

 ゴール地点のスタッフさんと少し歓談ののち、参加証として優待券をいただいていたセントピアあわらさんで汗を流すことに。午前10時を過ぎているので開店しています。実はこれも狙って24時間程度のペースを作っていました。計画通り(ホント)。

 しかしこのタイミングの温泉はつらい側面もあります。
お湯がかかると肌ずれが痛かったり、足の疲労のために更衣室で立って着替えるのもしんどいのです。

 何度か長い距離を経験して、私は「間擦疹」という要は皮膚ずれ(皮膚同士だったり皮膚と衣類が擦れて皮膚が炎症を起こすこと)を起こしやすいことがわかりました。なので、ウォーキング中もエイドではこまめにワセリンをぬったり、なるべく通気性にこだわったりと試行錯誤しているのです。

 私が特に皮膚ずれしやすいと認識している場所は①お尻同士、②股間(腿の付け根とズボン)、③乳頭部と衣類、④首まわり(肌と衣類の襟)。そして今回新たに踵まわりと腋がランクインしました。腋は今回初めてタンクトップのアンダーウェアを着用したことによるものかと思います。

 ③と④は対策の成果もあり無事。しかし①と②はどうしても起きてしまいます。お尻や太腿のお肉が多いんですかね。スリムになれば解消するかもと思い、とりあえず股関節周りの筋トレに励むここ数日。これさえなくなればもっと気軽にウルトラウォーキングに出られるのに…

 さて、待ちに待った温泉だー!
しかし温泉ソムリエともあろう私が疲れのあまり温泉成分分析表を見逃しました…
仕方なくネットで調べてみると、セントピアあわらさんは「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)」で加水・加温もありとのこと。塩化物泉なので、一般適応症の筋肉痛などにはもとより、皮膚系の症状にも適応がありそうですね。現状にベストマッチでは?ただ傷口がめっちゃ沁みそうです…案の定、激痛でした。

 なんとかお風呂から脱出した後はお昼ご飯です!
越前おろしそばとミニソースカツ丼、そしておビールを注文。よくがんばった自分へのご褒美。
お蕎麦は冷たくしめられていることもあり、平打ち麵ですがコシがあって食べ応えがあります。すすればお出汁や鰹節ともからんだ芳しい香り、口内で噛めばプツっとはじける感覚、満足のおいしさです。ソースカツも薄めでカリッと揚がったカツにソースがしみ込んでいます。アクセントの一味のおかげでご飯とビールが進みます。ぺろりと完食です。

 腹ごしらえも済んだのでがんばって帰ります。セントピアあわら前からえちぜん鉄道のあわら湯のまち駅を通り、JRの芦原温泉駅までいける路線バス(京福バス)が走っているようです。そこそこの本数あるのでこれはありがたい。まもなくバスに乗車し、せっかくの景色を楽しもうと思っていたのも束の間、爆睡。気づいたら芦原温泉駅でした。

 いざ東京行きの新幹線チケットをとろうとしたものの、北陸新幹線(芦原温泉~東京間)の指定席が満席とのこと。なんで前もってとってなかったのって?だって何時に終わるかわからないじゃん…
この足で立って帰るのは無理だ…仕方ない、米原(東海道新幹線)経由で帰りますか。相談に乗っていただいた芦原温泉駅の駅員さんありがとうございました。

 このあとも試練は続きます。北陸新幹線の遅延の影響を受けて敦賀駅と米原駅での乗り換えダッシュです。ともに5分程度しか時間の余裕がなく、この足で2泊4日+ウルトラウォーキングの荷物を抱えての構内ダッシュはまさにエクストリームスポーツと言っていいでしょう。私史上、過去1, 2を争う壮絶な乗り換えでした。対抗馬は雪で新千歳からの離着陸が遅れた飛行機から京急終電への羽田空港ロビーの猛ダッシュです。いい勝負だ。

 てな感じで私は必死に当日帰宅しましたが、関西の奥座敷とも呼ばれる由緒ある名湯、あわら温泉ですので、時間とお金に余裕のある方は湯量豊富な源泉を引いた温泉と日本海の幸を使ったお料理を一晩かけてぜひ味わっていただきたいです。

あなたは完歩後に宿泊派?帰宅派?

 ここまで褒めちぎってなぜお前は泊まらないのだ、と怒られそうですが、これには理由があります。
私は過去二度小豆島でウルトラウォーキングに参加しましたが、そのうち一度は前泊と後泊を経験しました(2泊4日です)。もう一度は仕事終わりに金曜夜に岡山移動で前泊して参加、仕事の都合で日曜即帰宅でした。

 このうちどちらがよかったかといわれると即帰宅なのです。なお、帰路の記憶はほとんどありません。こう思う理由を以下に挙げます。
①大会終了(AM)後にチェックイン可能時間(だいたい15時くらい)までのラグがある。
②①を解消しようとしても疲労困憊のため観光という気分にはなれない。汗を流すのみ。
③宿に入ってもお風呂に入って寝るだけ。お布団にダイブしてそのままブラックアウト。
④疲れすぎて豪華なご飯を満喫できない。あまり食欲がない。(私だけ?)
⑤翌日も筋肉痛で満足に観光はできない。

 ①は連泊にしておくとか、即チェックインできる宿を見つけておくと問題にはならないでしょう。あるいはチェックイン時刻を見越してペースをつくるとかもいいですね。また②~⑤は未熟な私ゆえかも。体力自慢の方は当たらないかもしれません。

 要はせっかくの観光地、疲労で動けなかったり手持無沙汰になったりで寝て過ごすなら、終わった勢いのまま帰路についてしまった方が合理的ということです。なので観光は前日までやってしまいましょう。これはあくまで私個人の意見です。ウォーキング中より終わった後の過ごし方のほうが他の経験者のご意見を聞きたいですね。

今回のまとめ

大会全般について
・福井県の空気・気候・風景を全身で堪能できた。日中は海から、夜間は山から吹きつける海陸風は険しく、敵にも味方にもなった。特に日中に見られた勝山の残雪と白山連峰の風景は美しく、また有史以来暴れ川として有名な九頭竜川水系についてもコースのあちらこちらでその存在感を感じることができた。
・福井駅だけでなく、勝山や東尋坊など、各地で今回の大会名を冠する「ザウルス」の存在があった。まさに「恐竜王国福井」を堪能できる旅になっていた。
・全6エイドのうち、およそ半分が屋内であったり雨風をしのげるエイドとなっており、しっかり休憩しながら進みたいウォーカーにはよかったと思われる。またエイド食について、温かい食事や飲み物が複数回出たのは嬉しかった。一方で、パンではなくバナナなど疲労に効果のあるもの、また福井らしい食事が出ていればより嬉しかった。
・各エイドでは事務的な受付が多く、声掛けも少なくて少々寂しさを感じた。温かく送り迎えてしていただけたのは第三エイドとゴール地点くらい。
・運営側では残雪状況を確認しながらぎりぎりまでコースを検討いただいていた。その結果、当日になってルート変更が生じた。事前にgoogle mapに取り込んで準備をしていたものの、現地での急遽のデータ更新に若干苦労して、スタート前にばたばたとしてしまった。

自身のよかった点
・ほんの一か月前の怪我の状況を思えば、完歩どころか参加できるだけで御の字である。最初はまったくゴールは意識しておらず、のんびり行けるところまで行こうとしていた。それが予想外の好調と丁寧なケア、苦しいときの粘り腰で完歩できた。
・80km以降は足に痛みが出て身体が思うように動かず苦しかったが、苦しいときの小さな”one more steps”の重要性を実感した。またケガからの復帰にあたっては支えてくれた家族や周囲の方に感謝を申し上げます。
・事前対策した衣類が好を奏して、寒暖差20~30℃のタフな環境でもある程度対応できた(特にモンベルのアームウォーマーとイオンスタイルのアンダーウェアがよかった)
・要所要所で身体の調子を見て意図的にペースを調整できたし、できない場面もあった。また苦しい状況そのものを楽しむことを意識して、アドレナリンを出せた。
・道中での他参加者との会話であったり、いつも以上に風景の写真を撮って記録と記憶に残しつつ、雰囲気を楽しむことができた。
・補給食をいろいろ試すことができた。個人的にはラムネがGOOD。

自身の改善点
・体力不足、経験不足のため、後半からペースががくっと落ちる。それを気合でカバーしているだけ。今後は痛みが出にくくなるよう柔軟性と周辺筋肉の強化、身体への負荷軽減のための減量や細かな痛み軽減の装備や工夫が必要と感じている。
・普段からあまり日焼け止めを使わないが、今回肌のヒリつきがひどく必要性を感じた。
・サングラスをかけていたものの、ゴルフ用の偏光サングラスだった。終わってから目が痛く、強い日差しに効果のあるサングラスにすればよかったと感じた。
・ニット帽は汗をかいてしまうので諸刃と感じた。通気性は大事にするためイヤーマフの導入を検討する。
・garminの電池切れ、残量ギリギリで保存しようとしたが転送失敗しデータ削除してしまった。よりバッテリー持ちするモデルに切り替えるか、エイドでは外して充電するなどこまめなケアが必要。これがもっと長時間だったり、garminのGPSがないとわからないコースの場合は大きなリスクになる。
・ペースづくりは常に先を読んで計画的に。意図的にペースを上げ下げする時には、それによって起こるリスクを予想すること。また他の参加者に乱されない、徹底した自身のマインドセットをもつ。
・レース終了後の動き。特にお風呂セットを出発前にトートバッグとかにまとめておけばよかった。

福井ザウルスウォーキングのレポートは一旦ここまでとなります。
お付き合いいただきありがとうございました。

またいつか私のウルトラウォーキングの装備や準備について紹介しようかな。
100kmという自分自身との戦いにこれから挑む同志の皆様の参考となれば幸いです。

 

よーく

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